端午の節句のお祝いに欠かせない、兜。そんな兜を手作りしてみませんか?本物の兜は迫力があるので「怖い〜」と近寄りがたいお子さんもいるかもしれません。手作りしたものなら温かみが伝わり親しみを感じるものです。今回はキットを使って親子で簡単に作れる兜をご紹介します。兜の豆知識とともに、作り方をご紹介します!
端午の節句になぜ兜なの?
端午の節句に兜を飾るのは、武家時代の風習からきています。武士が戦う前に身の安全の祈願に神社に参拝する際、鎧や兜を奉納することから、兜は身体を守る象徴となりました。やがて、兜は子どもの身代わりとして、病病や怪我、事故から子供を守ってくれるように願って飾るようになりました。
兜飾りは誰が買うべきなの?
兜(五月人形)や鯉のぼりは、誰が購入するのが望ましいのでしょうか?
昔からの風習で地域により異なりますが母親の実家で用意するのが多いようです。今は両家で折半したり、夫婦で購入したりと色々です。家族で相談したうえで準備しましょう。
地域によって、家族の考えやいろんなケースがあるよね
部屋のスペースの関係もあるし、生活スタイルに合う好みのものを夫婦で選びたい派が多そうだよね
特別な決まりはないから納得したスタイルで夫婦で決めたいね
兄弟の分もひとつずつ用意する?
では兄弟がいる場合、
「子ども一つずつ用意すべき?」
という疑問があります。風習的に子どもの身代わりとして守ってくれる兜は、雛人形と同様で兄弟で兼用せずに一人ひとつ、ということになりますが正解はありません。経済状況や考え方、飾る場所、スペースの問題ですのでそれぞれの家庭が納得するかたちで用意しましょう。
兄弟でサイズやデザインを変えたり、違ったスタイルの楽しみ方もいいね
形式よりも健康を願う気持ち、家族で行事をお祝いする気持ちが大切だね
五月人形はいつからいつまで飾る?
五月人形は、一般的に春分を過ぎた3月下旬から、遅くとも4月中旬までに飾り始めるのが理想ですが、特に決まりはありません。ただ、お祝い前日の5月4日から飾る「一夜飾り」は神様への敬意に欠けることから、避けるようにしましょう。
片付ける時期に決まりはありませんが、子どもの日が終わったら天気がよく湿気の少ない日にするのがおすすめです。
兜は美術品として通年飾ることが多いようです。また、最近の五月人形はコンパクトで場所を取らないものが多く、インテリアにも馴染みやすいのが特徴です。ずっと見ていたくなるようなお気に入りのものに出会うのも大切ですね。
五月人形は湿気に弱いので、人形に湿気を含ませないようにしよう。片付ける日の天気に気をつけようね
手作り兜に挑戦!
それでは手作り兜に挑戦してみたいと思います。
用意したのはこちら
手作りキット 出世兜には衝立て台紙のほか、兜や弓矢の折り紙、型抜き済の金紙、説明書(英字記載もあり)など入っています。
折り紙は自分で折りますが飾り用の部品は型抜きされていたりハサミで切るだけなので楽ちんです。細かい和柄、絵柄の台紙にスパンコールも付属されているので上質でしっかりしたつくりの兜が出来上がりそうです。
動画でも作り方をチェック!
各部品の組み立てなど、かなり細々とした工程になりそうです。ボンドやハサミを使って、ミニチュアを作る感じ。ちょっと不安なので、イメージしやすいよう動画でも作り方を確認します。
さっそく実践!
作るときに用意するものは、木工用ボンドとハサミのみです!
1 飾り部品を切る
ラベル裏面の「飾り馬/陣太鼓」、「張り子の虎/的に違い矢」をハサミで切り、山折りにします。そして、ボンドで上部をくっつけて立てるようにします。
型抜き済の金紙から、部品をはずして「鍬形(くわがた)」と「吹返(ふきかえし)」と「鍔(つば)」を取り出します。こちらは後ほど使います。
絵付き折り紙でつながっている「守り刀」と「魔除けの矢」×2枚、「魔除けの弓」を白い線に沿ってハサミでカットします。折る部分の箇所は絵柄が分かれているので目印として分かりやすいです。こちらも後ほど使います。
2 折り紙を折る&装飾
箔押し付き折り紙「兜」を折ります。動画や説明書の折り方を参考にしながら折りました。簡単な折り方の方は知っていたのですが、こちらはやや難しそうなので別の折り紙で練習してから本番にトライしました。
なんとかできました!折り方は結構上級者向けなので小さなお子さんは大人と一緒にやるのをおすすめします。箔押しの紙なので、高級な感じがします。
赤い紐で忍び緒(兜)を結び、緩まないようボンドでとめ、長さを調整します。そして、1ではずした金紙の「鍬形(くわがた)」と「吹返(ふきかえし)」をボンドで貼ります。
そしてスパンコールを兜につけて、兜の装飾はOKです。
兜の前飾りの名称は読みにくくて聞き慣れない言葉が多くて難しいね!
兜の前飾りは豪華で用意するのも大変なんだけど、端午の節句の意味合いや、昔の人の考え方・習わしが注ぎ込まれているよ
装飾は多いぶん、豪華で見栄えもするからキットでも同じように再現できてリアリティがあるね
3 兜の置き台をつくる
絵付き折り紙の「兜置き台」を折ります。こちらは折り目が付いているので、それに沿って折るだけです。出来上がったら折った部分が戻らないようにボンドを貼ります。
4 守り刀を折る
絵付き折り紙「守り刀」を折っていきます。細長く折り紙を折っていき、最後折ったところが戻らないようにボンドをつけます。そして1で作った金紙の「鍔(つば)」を差し込み、ボンドでとめて完成です。
5 魔除けの矢を折る
絵付き折り紙の「魔除けの矢」を折ります。矢だけあって細く細かい折り方です。見た目が大切なのでバランス悪くならないように、丁寧に折っていきます。
最後は折ったところが戻らないようにボンドをつけます。羽の矢を整えて完成です。もう1枚も同じように折ります。
6 魔除けの弓を折る
絵付き折り紙「魔除けの弓」を折ります。中心に向かって細く折っていきますが、斜めに段折りの仕上げをし、最後折ったところが戻らないようボンドをつけました。カーブがあると弓っぽいです。
7 飾り台をつくる
ようやく仕上げに近づいてきました!「衝立て台紙」 を各パーツごとにはずし組み立てます。衝立て、飾り台、台座、スタンド…とそれぞれ組み立てていきます。仕上げに「衝立て用菖蒲絵」を差し込み、ボンドで貼ります。そして緑毛氈(みどりもうせん)を敷いて出来上がりです。
8 完成!
完成!所要時間は説明書には45分とありましたが、筆者は約2時間くらいかかりました。ボンドが乾くまで手でおさえて…となると1つのパーツを作るのは意外と時間がかかります。1人は組み立てる、もう1人はボンドの箇所をおさえる、という手分け作業ならスムーズです。
1つ1つのパーツは作り方が異なり細かい作業でしたがだんだん形ができてくると嬉しいですね!ボンドでしっかり押さえて形を整えるなど、時間を惜しまずに丁寧に作ると見た目も引き締まって見えるかもしれません。
【まとめ】キットなら安心して作れる
いかがでしたでしょうか。パーツをイチから作るとなると、それらしい材料を揃えるのが大変ですよね。キットなら必要な分だけ、しかも本物に近い雰囲気を兼ねそろえてあるので安心です。紙のキット以外にも押し絵風の布のキットなどもありますので、お好みで違った風合いを楽しんでくださいね♪