分離色は、絵心がなくても色の変化のにじみを美しく表現できるので、面白さや新鮮さから注目されています。いろんな絵の具を使わなくても、1本あれば水の加え方によってさまざまな表情を見せるのです。
分離色の水彩絵の具は実はさまざまなメーカーから登場しています。今回は、今注目したい2つのおすすめ分離色をご紹介したいと思います。参考にしてみてくださいね。
メーカーによって分離色が異なる?
分離色はメーカーによって、カラー、粒子の特徴、分離具合などさまざまです。同じメーカーでもカラーによって雰囲気が異なるので、比較しながら自分好みの色を検討するのがおすすめです。
分離色の使い方&おすすめ表現
使い方といっても、水彩絵の具と同じなのですが、分離色ならではの特性を生かした表現があります。何も下描きせずに、思いのままに水と合わせて表現するだけでも面白いです。まずは試し描きで絵の具の分離具合、特徴を実感しましょう。カラーによっては顔料の質感、分離具合が異なるので、絵の具の硬さや水との反応は違ってきますよ。
分離色は他のカラーと混ぜるとと効力が半減してしまうよね
他色を使いすぎたり彩色の範囲が狭いと分離の表現を引き立てにくく魅力が埋もれてしまうかも
黒で下描きした絵に、あえて1本の絵の具のみで彩色していくのもおすすめよ
濃度を調整しながら別の色を引き出して1本でできる表現も楽しそう
いま注目のグラニュエーションカラー
それでは数ある分離色の中で、いま注目したいアイテムをご紹介したいと思います。
シュミンケのスーパーグラニュレーションカラー
ドイツの伝統と品質を誇るシュミンケ社の高級水彩絵具「ホラダム」。こちらは持ち運びやすい固形水彩絵の具です。
紙質(コットン製もしくはパルプ製)と水彩紙にひいた水の量で変化します。使用する水彩紙の紙の目が粗いほど、グラニュレーションの効果が大きく表現できます。
かわいいメタルケースに入ったセットには携帯にも便利な人工毛の筆付き。こんな数量限定のアイテムも多いので随時チェックしたいところです。屋外スケッチで風景画をさっと表現できそう。
チューブの3色セットもあります。トーンの異なるさまざまな組み合わせにセレクトに迷います。
絵の具の使用感は動画でもチェックできますよ。※海外製品なのでパッケージは異なります。全体的に、スモーキー&シックで明るい上品なトーンの印象を受けました。穏やかさ、落ち着いたカラーから、どんな彩りの分離カラーが見出せるのか楽しみです。
ダニエルスミスのプリマテック
もう一つご紹介するのは1976年設立のアメリカの絵具会社ダニエルスミスの「プリマテック」水彩絵具です。鉱物や半貴石などの原石を顔料にして精製したタイプで、大胆なグラニュレーション(粒状化)効果がみられ、描いた画面上に動きや深みを与えることができます。
びっくりなのはカラーの種類の多さです。なんと36色も。鉱山だからなのか強いカラーもあるものの、ナチュラルで淡く落ち着いたトーンが多い気がします。
そのままのチューブの状態では一見普通の絵の具のようですが、水を加えた瞬間、紙が乾いた後に大きく変化を見せてくれます。
動画でもチェックできますよ(英語です)。※海外製品なのでパッケージは異なります。全体的に、粒子が大きい印象です。粒子が大きいということは、淡い色と強い色が分離したときのメリハリが大きいので、これは期待できそう。
【まとめ】彩り&深みのある作品をつくろう
分離色といっても、メーカーによって特性やカラーの雰囲気が違ってくることがわかりました。色のセレクトに迷うときは、カラー同士の相性の良いセットアイテムから選ぶのもおすすめですよ。
グラニュレーションカラーの特徴を理解しながら、面白さを実感していろんな表現に挑戦してみてくださいね。