額縁は賞状入れや、アート作品、思い出に残るものを保存したり、推し活で色紙やグッズなど尊いものを保存したり…いろんな用途があります。
絵画をメインに貴重なものを保存するイメージですが、最近は身近になり、サイズやデザインが多岐にわたります。そこで、初心者人向けに、仮額を中心に選び方や基礎知識などお伝えしたいと思います。最適な額縁に出会って下さいね。
額縁の役割とは?
絵画のなかでも特に油彩画は絵の具の厚みもありきちんと保管しないと劣化し痛んでしまいます。額縁は大切に保管、保護するための必須アイテムといえます。
有名な作品を見ると、立派で作品の一部のように見える額縁もあるのではないでしょうか。絵画の魅力をそっと際立たせて、作品にしっくりと溶け込ませる役割もあります。そのためには、額縁の種類を把握する必要があります。
本額(本縁)と仮額(仮縁)の違い
額縁(がくぶち)には本額(ほんがく)と仮額(かりがく)の2種類あります。別の呼び方で本額は本縁(ほんふち)仮額は仮縁(かりふち)とも呼ばれます。
美術館の作品のように、額縁表面にガラス板やアクリル板がつき長期展示用の本格的な額縁が本額です。こちらは組み立ては不要で、ダストカバー(表面のカバー)がセットの場合もあります。
ダストカバーの種類はガラス(今はなくなりつつある)とアクリル板(UVカット機能付きあり)が主流です。
一方、仮縁は公募展・展示会用の枠だけの額縁です。保護用のガラス・アクリル等は付属しない、キャンバス用の額縁です。通常は組み立て式ですが木製の一部に組立済みの仮縁もあります。
仮額の選び方のポイントは?
仮額の選び方のポイントは、
・サイズを確認
・仮額の種類や特徴を知る
・作品に合うもの
この4つになります。仮縁をつけることを出展条件のコンペや公募展もあります。その際は応募要項に仮額の幅の規定あるのでチェックしましょう。それでは下の3つも詳しく見ていきましょう。
仮額のサイズ
仮縁のサイズはキャンバスサイズ(規格)と同じ規格なので、キャンバスをそのまま入れることができます。例えば、F4号のキャンバスであれば、F4号の額縁がぴったりサイズとなります。
※メーカーや地域、年代によって、サイズの呼び方が異なることも。大きさの名称ではなくサイズで確認を。
仮額の種類や特徴
仮額の素材の種類はいくつかあり、作品を固定させる仕様も異なります。フレームの材質とキャンバス固定方法の違いを詳しく見ていきましょう。
フレームの材質
仮縁のフレームは大きく分けて木製とアルミ製、MDF製と分かれます。
木製
オーソドックスな木製はウッディな木目調で温かみのある落ち着いた雰囲気に。
アルミ製
アルミ製はシンプルな構造で軽く低価格なので予算を抑えたい人にも人気です。薄く細いフレームでも丈夫なためポスターなどの掲示用フレームにも。銀色を中心に作品に合わせやすく華やかにも見えます。
MDF製
MDF製は見た目は木材のようですが再生木材チップを原料に樹脂で固めたもの。安定した丈夫さと経済性に優れたエコ素材。進化の著しい材料なので今後の品質にも期待大。
キャンバスを固定する方法
仮縁にキャンバスを固定するやり方には、大きく分けて側面からビスで穴を開けて固定するタイプと、金具で押さえて固定するタイプがあります。
穴を開けて固定のタイプ(裏側・横側止め)
穴を開けてビスで固定するタイプの場合、キャンバス木枠や木製パネルの側面にビス穴があくことになります。 セットの中にはフレームの他キャンバス止めビスが入っており、こちらは裏側止めのタイプです。
こちらは横側から留めるタイプです。このようにビスの位置や押さえ金具の数など、商品やサイズにより異なります。
金具で押さえて固定のタイプ
作品にビス穴をあけたくない場合は、金具で押さえるタイプを選びます。付属のクッションなどでキャンバスとの隙間を調整します。金具タイプは丸型やトンボ押さえといわれる長い羽のような金具で留めるデザインがあります。
素材によって特徴があるのでみていきましょう。また、仮縁自体に吊り金具がついているものと、キャンバスや木製パネルの木枠に取り付けるものの2種類があります。
額縁に関するQ&A
仮縁の素朴な疑問を出してみたいと思います。あくまで一例として参考のひとつにしてみて下さい。
仮額の表面はなぜ保護がない?
仮額は基本的にアクリル板やガラス板、裏板がありません。作品の四方を保護する仮縁は透明のアクリル板などがないので光の反射を気にせず鑑賞できます。審査しやすい点があり公平性のためにも、表面保護がないのです。
公募展によっては本額も可能(その場合はガラス不可など確認)なケースもありますが、だいたいは「裏板なしの仮縁のみ」と規定がありますので確認して下さい。
仮額は再利用できる?
仮額の中でも値段やデザインによりますが頑丈なつくりになっているものも多いです。デザインが頑丈な仮額は長持ちしコスパも良さそうです。
一度出品しても、歪まず良い状態の仮縁なら問題なく再利用できます。ただ長年使用したり回数を重ねると状態も変わってきますので、安全性重視で判断しましょう。
カラーの選ぶポイントは?
仮額選びで色を迷う人かもしれません。自分の雰囲気に合う色がすぐに決まればいいのですが、仮額の選び方には正解はありません。とはいえ、無難そうな色といっても木目調、金、銀、白、黒…色々あります。
例えば、銀の額縁は比較的合わせやすく高級感が加わりますし、黒は縁取りで絵を引き締める効果でさりげなく作品を際立たせます。
金と白は絵にぴったりなら最強ですが作品によって印象が変わりやすく判断が難しそうです。絵の展覧会に行って、参考に額縁をチェックするのもいいですね。
【まとめ】納得して額縁を選ぼう
仮額の種類は幅広いですね。唯一無二の自分の作品と合わせるために、デザインや組み立て方は必見です。自分が用意しやすい、作品にぴったりのものを見つけましょう。