擦筆(さっぴつ)の使い方&手入れ方法

デッサン・スケッチ
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みなさん、擦筆(さっぴつ)をご存じでしょうか。
擦筆はおもにデッサンやパステル画、クロッキーなどで使用される画材です。
木炭や鉛筆などで描いた部分を上から押さえつけたり、擦り付けたりすることで、微妙な濃淡を表現することができます。そんな擦筆の使い方や、実際に使ってみた感想をお伝えしていきます。

擦筆はこんな時に使える

サッピツ デッサン 木炭

球体や物体、人物のデッサンなどあらゆる場面で使えますが、反射光や逆光のぼかし、陰影などの細かい部分をぼかすときにもおすすめです。
個人差はありますが、こんなときに使えます。

  • 物体…陰や境界線でのグラデーション表現
  • 人物…目や鼻の影の部分や、衣服の滑らかな質感

デッサンをぼかしたいときはガーゼや綿棒、指を使うこともあるよ

キャンバスを指で擦ると皮脂が付いてノリが悪くなるから気をつけてね。擦筆は細かな部分もぼかしやすいから便利よ

擦筆の種類はいろいろ

紙 擦筆 No.3

紙 擦筆 No.3

鉛筆と同じように太さの違い、軟らかいものから硬い質感のものまであります。
選ぶポイントとして、

  • 細かい部分を整えやすい硬い擦筆…鉛筆デッサン向き
  • 木炭の粉を定着しやすい軟らかい擦筆…木炭デッサン向き

で使われる傾向があります。メーカーによって特徴も異なりますし、好みの問題もありますので自分に合う擦筆を使いたいですね。

硬い擦筆は画用紙表面の凹凸をつぶしやすいから力の入れ具合に気をつけてね

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まずは試し描き

サッピツ さっ筆

ARTETJE アルテージュ 擦筆 No.4

それでは、実際に擦筆を使ってみようと思います。使用したのはアルテージュ 擦筆の No.4。おおよそ中間くらいのサイズになります。
鉛筆のように握って使用し、尖っているので細かい部分にもぼかしをピンポイントで調整しやすいです。

使ってみるとこんなふうに

サッピツ サッ筆

左:鉛筆のみ/右:鉛筆の上から擦筆

左は鉛筆のみの使用、右は擦筆を使いました。
テクスチャーが全然異なります。擦筆を使うと紙の凹凸に鉛筆の粉が入り、粗さが見えなくなります。そして色が濃く映ります。

擦筆はどうやって削る?

使用してみると、擦筆がすぐに真っ黒になってしまいました。擦筆の黒い面を使いながらグラデーションも表現できそうですが、白い面は常に残しておきたいところです。

擦筆を削る方法は、

  1. カッターで削る
  2. ヤスリで整える
  3. ハサミで整える

この3つの方法があります。カッターで削ってみたいと思います。

カッターで削ってみた

サッピツ サッ筆

黒い部分をカッターで削る

カッターを長めに出し、黒い部分を削って少しづつ整えていきます。
紙が原料の擦筆は、柔らかいのでカッターでポロポロとうまく削れました。擦筆の柔らかさによっては削りにくいかもしれません。

実際に鉛筆描きで使ってみた

たまご 卵 タマゴ
それでは卵をデッサンしてみたいと思います。
擦筆は最初の方から使うのではなくイメージがある程度固まった完成前に使います。
擦筆で描写した部分は紙の表面の凹凸がなくなりやすく、修正しにくいためです。

擦筆を使用前

デッサン タマゴ
デッサンがほぼ完成しました。鉛筆のザラザラとしたテクスチャーは残っていますね。タッチの向きなど、鉛筆にしかできない質感は残すことが大事。
鉛筆で描いた立体感を消さないように、どこに擦筆を使用するか、物体をよく観察しましょう。

擦筆を使用後

サッ筆 デッサン 卵
床にできる陰の濃い部分と、卵の色が濃い部分、明るいところにも擦筆を使いました。
使わない時と比べて、

  • 色の濃い部分は画用紙の凹凸に鉛筆の粉が入り、より濃厚に
  • 色の薄い部分はぼかすことで光の入り具合が繊細で分かりやすく

表現できた気がします。物体を見極めながら、ここぞという部分のみに使用するといいですね。

こちらは失敗例

サッピツ デッサン 失敗
あえてデッサン画全体的に擦筆を使用してみました。結果、真っ黒でぼやーとしてしまいました。
擦筆を使いすぎると全体の質感が変わり、輪郭がぼやけてしまいます。

また、画用紙の凹凸部分に鉛筆が刷り込まれていると練り消しなどで綺麗に修正できません。

擦筆を使用すると後で色を加えることができても、色を綺麗に引くことが難しいのです。

硬さや雰囲気など、物体を正確に伝えるには鉛筆のシャープなタッチがわかりやすいね

擦筆の使い方を間違えないようにするためにも、鉛筆と擦筆部分とメリハリをはっきりさせながら描く作業が大切ね

まとめ

さっぴつ 使い方 サッ筆

擦筆をはじめて使いときは使う箇所に少し迷うところですね。擦筆をうまく利用するためにもデッサンの練習はどんどん描いて慣れましょう。よく観察するうちに立体把握を強化できそうです。
擦筆を活用しながら表現の幅を広げましょう。

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