水彩紙は湿気の季節にそのまま長期間放置していると状態が悪くなるのはご存知ですか?紙は湿気による影響で傷んだ場合、彩色すると発色が悪くなってしまうんです。紙だけでなく筆などの画材道具も湿気に気をつけて正しい保管が大切です。そこで、湿気対策のポイントや湿気によるダメージを防ぐおすすめアイテムをご紹介したいと思います!
なぜ湿気が水彩紙の天敵?
「えっ 紙が?」と筆者も疑いましたが、紙も病気になります。紙は木やコットンが原料のナチュラル素材なので、自然なことかもしれませんね。紙には、にじみどめ(サイジング)がほどこしてあるので、水をたっぷり使う表現ができます。それが、湿度により水分を吸収してしまうと、サイジングが紙の中に染み込んでしまい、効力が発揮できなくなります。そうなると、
・絵の具の伸びが悪い
・意図せぬはみ出しや斑点ができる
このように、コントロールの枠を超えた、不快な仕上がりの現象が起きます。残念ながら、風邪をひいた紙は元に戻りません。それでは、じめじめ季節に向けて、これから対策をしていきましょう。
紙のサイジングが湿気に弱いのは盲点だったよー
水彩紙は湿度に左右されやすいデリケートな存在なのよ
せっかく用意した紙を無駄にしないためにも対策しなきゃ!
湿気対策のポイントは?
湿気対策のポイントとして、全然関係ないようですがお雛様と同じです。実はお雛様も湿気に弱く、保管方法が重要なんです。とくに、
・湿度の高いところに保管しない、放置しない
・乾燥剤と一緒に保管
が大事なんです。とにかく湿気に気をつければいいので、保管環境と乾燥剤がポイントです。保管の観点で、大量の水彩紙を長期間保管するのはややリスクがありますのでストックする期間、時期は気をつけましょう。
湿気から守るおすすめ画材アイテム
それでは、湿気対策のおすすめアイテムを紹介していきます。湿気対策は保管時と制作時と大きく2種類に分かれます。
保管するときの対策
まずは画材を保管するときの対策アイテムはこちらです。
スケッチブック用の保存袋
水彩紙やスケッチブック用の保存袋で湿気から守ります。こちらは F8サイズ用。保存袋には、
・酸素を通しにくい (酸素バリア性)
・光を通さない (遮光性)
の特徴があり、防湿性が高く優れたバリア性があるので、湿気や光といった外部環境の影響を避けたい作品やスケッチブックの梱包に向いています。
この保存袋は、ハイバリアタイプのPET樹脂にアルミを蒸着させて袋で、上部に開閉用のチャックを付属したものです。
大きめのロールサイズで保管したい人は、ロールサイズもありますよ。
可愛い収納箱にもなる貼箱
お道具箱にも使える貼箱です。筆や絵の具、紙など必要な画材をまとめて保管し、かつ湿気からも守ってくれるなら収納しやすい箱が便利。インテリアのようにも使えます。
保管するときは箱の中に、乾燥剤を入れておくとさらに安心です。乾燥剤はお菓子と一緒に入っていたり、100均でも購入できます。
画材を入れるなら機能的な木箱
こちらのカスタム小箱は油絵用ですが様々な画材をひとつに整理でき、野外への携帯にも便利です。木は水分を吸収し適度な湿度に保ってくれるので、湿気対策には強力な味方です。筆は乾燥させて保管しないとカビの原因になりますし、絵の具も乾燥するとカピカピに固くなることも。画材の保管は全体的に気をつけたいですね。
経済的で軽さ重視ならアタッシュケースもOKです。
作品の仕上げ&制作時の湿気対策
今度は作品に使用する湿気アイテムをご紹介します。
作品を湿気から守るワニス
こちらは作品完成後に使う表面保護剤です。完成後、作品の湿気によるカビや汚れの付着を防ぎます。スプレータイプでさっと使えますが、湿度の高い日に塗ると白濁する事があるので使い方を確認して使用しましょう。
画面保護剤はツヤありなしを含め、画材それぞれに専用のものがあるので適したものを使用しましょう
画期的なにじみどめメディウム・ マルチサイジング
マルチ サイジングはにじみの強い紙に事前に塗布することで、水彩絵具の吸い込みを抑え、にじみにくくします。水彩紙用ですので、紙の色が変わらず、絵具の発色がよくなります。
紙の吸収性を再調整すると、もとの水彩紙の場合と濡れ色、乾き色が違ってきます。制作にかかる前に、濡れ色と乾き色の差を確かめておくのがよいでしょう。
使い方・使用感は動画でも確認できますよ
【まとめ】湿気対策でじめじめ季節も乗り越えよう
紙の湿気対策は意外と忘れがちで、彩色時に気づき遅くなってしまう場合も。そうなっては他の紙たちも被害を受けている可能性がありますので、紙が無駄になってしまいます。お金をかけなくても、保管方法を気をつけたり、食品の乾燥剤と一緒に保管するなどちょっとした工夫で救われます。ぜひ、大切な画材を湿気から守りましょう!