分離水彩絵の具で注目を浴びているハルモニア。美しいグラニュエーションカラーで使うたびに新鮮な色の変化を見せてくれますね。
今回は、ハルモニアの新カラーを試し塗りをしながら絵の具の特徴を見ていきたいと思います。分離色ならではの特徴を理解すると、新たな発見や面白さがありそうです。あまり絵心がない筆者ですがどんな風に楽しめるでしょうか。
【実験】分離色と普通の絵の具の違い
普通の絵の具は1色の顔料のみで構成されていますが、ハルモニア透明水彩絵具はひとつの絵の具を塗ると異なる色と色に分離される絵の具です。そこで、本当に色が分かれるのか分離具合を見てみましょう。
使った絵の具はマンダリン カーネリアン。透明な容器に水と絵の具を混ぜてみます。時間を置くと、絵の具の顔料が水の中で分かれていきます。粒子の重みによって自然と水の中で分離している状態に。
水と油のようにはっきり色が分かれなかったですが、水の表面と底の色に集まった粒子の違いは目にみえて確認できました。それぞれの色を筆ですくいとってみます。
描いてみると、こんな感じに。水表面の色は濃度が薄くて分かりにくいですが色が全然違いますね!面白い〜。分離具合がしっかり分かる絵の具なのが分かります。
試し塗りをしてみる
今回使ったのはハルモニアの新色の12色セットです。シリーズのカラーから新たな雰囲気の色が加わり、パワーアップしています。いきなり作品に彩色するのではなく、どんなカラーか試してイメージを膨らませたいと思います!
最初は彩色したい部分を筆で紙に水で濡らします。ウェットオンウェットでにじみやすくすると、カラーの変化を引き出しやすいです。薄いカラーも出したいのでたっぷりの水で。
そこに絵の具の原液をのせて、水を加えながら濃い色と薄い色を出していきます。紙に水がのりすぎたらテッシュで吸収したり、水気のない筆でふきとりながらぼかして水の調整をします。
こんな風に全カラーを試してみました。混色はせずに1本ずつ描きました。いろんな色を引き出せると面白いですし、紙が乾いた後はまた違った色の見え方になるので2度楽しいです。
もっと色を引き出せそうと思い2度目のトライ。筆の大きさや塗り方パターンを少し変えるだけでも色々な表情を見せてくれます。青い海の底、茶系の地表、橙色の夕焼け、暗い霧…何となくですがカラーからイメージできるテーマにそって表現してみるのも楽しいです。
塩まきで簡単アート表現
試し描きをしたところで、今度は簡単なアート表現をしてみたいと思います。
塩技法=ソルトテクスチャーは水をたっぷり使う、水彩画ならではの技法です。ハルモニアの彩色で塩を使ったらどんな表現になるでしょうか。
塩技法の詳しいやり方はこちらのブログを→塩技法
乾く前
たっぷりの水とともにカリビアン アズールのカラーをざっと紙に描きます。これだけでも綺麗なにじみ。そして紙が乾く前にパラパラっと塩をかけます。
ちなみに、使用した紙はキャンソン ヘリテージ水彩紙(細目)です。たっぷりの水でもぐんぐん吸収してくれます。乾いた後も紙が曲がらず耐久性が高いのが特徴です。粒子が分離する絵の具の鮮やかさ、変化を最大限に引き出してくれます。
乾いた後
放置して乾かしました。残念ながら、うまく塩が溶けず、失敗してしまいました。。塩まきは難しいですね。少しだけ塩が溶けて白くふわっと広がりました。
イメージではこんな風にしたかったですが、またの機会に。塩を振るタイミング、塩と水の量、塩の種類など塩まき技法はコツが必要そうですが、分離色だと絶妙な色の変化を表現できそうです。
【まとめ】独特のマチエールにうっとり
いかがでしたでしょうか。ハルモニアの色は、1本単体だけでも十分魅力的で、いかに色を引き出すかが醍醐味のような気がします。ちなみに筆者のお気に入りはシャイニー ブリザード。上品なラメに引き込まれます。たっぷり水を使うので、厚さのある紙だと安心ですね。思いのままに表現しながら色を引き出しましょう。