日本の伝統的な手芸である押し絵は、ふっくらと立体的でとても温かみのあるアートですね。職人技が光るまさに和のパッチワークです。正月の羽子板(江戸押絵)やタペストリー、和の小物などで押し絵を見かけることも多いのではないのでしょうか。そんな押し絵ですが、初心者でも簡単に作ることができます。簡単な工程で作品ができますので参考にしてくださいね♪
押し絵ってなんだろう?
押し絵とは厚紙を絵柄の部分ごとに切り抜き、綿を入れて和紙や美しい布でくるみ、貼り合わせた立体的な細工のことです。
横から見ると、こんな感じに。立体的でふっくらとしたアートは、花や鳥、干支、四季や行事に関連した日本ならではの美しい和柄を多く見かけます。
どんな布を使う?
上質な和の布や紙がおすすめです。布は国産のちりめん生地をはじめ、錦織りや金襴など高級な生地を使用して豪華に仕上げることもできます。紙は友禅や越前和紙、寸松庵(すんしょうあん)や豆色紙と呼ばれる滑らかな紙を使うこともあり、のりで貼る押し絵にも最適です。
材質や色味、出る雰囲気もそれぞれなので作品や表現に合わせて選びたいですね。
和紙や布、どちらも味のある模様に繊細な素材は作品そのものを引き立ててくれるね
金が振ってある金彩和紙や刺繍など華やかな素材は上質で深みのある作品の雰囲気にそのまま生かせるね
どんな絵柄がおすすめ?
お正月の干支の動物や、お雛様や五月人形など、節句をモチーフにすると季節を感じられ壁飾りなどにも最適です。また、季節の彩りを添えるアイテムはインテリアとして重宝しますし、贈り物としても良さそうです。
少しアレンジするならお守りやキーホルダー、吊るし飾り(雛飾り)など可愛い小物や行事の飾りとしても活躍できそうです。和柄にこだわらなくても自分の好きなデザイン、気に入ったモチーフを表現しましょう。
押し絵の基本的なつくり方
それでは押し絵のつくり方をご紹介します。ざっくり見ていくとこんな流れになります。
1 デザインを考える
どのような台紙にするか、まずは台紙を用意してどんな作品を作るかデザインを決めます。台紙は色紙や屏風など、飾るイメージを決めるといいですね。
2 型紙をつくる
裏表逆の型紙をパーツごとにつくります。パーツは一つ一つ切り離して作れるように、使う素材も決めましょう。
3 パーツを作る
型紙にボンドで型紙と同じサイズのカット綿をつけ、パーツの色に合わせた和紙(布)でくるみます。パーツにつける和紙は型紙より大きめにカットし、端にボンドをつけて餃子を作るように包みながらのりづけしていきます。
4 組み立て完成!
できた型紙パーツを台紙にのりづけし、組み立てて完成です!
と、こんな感じなのですがパーツごとに作るのでかなり細かい作業なのが分かります。特に、最初からオリジナルで作ろうとすると、型紙に同じサイズの綿をカットして貼り付けたあと、さらに同じくカットした和紙(布)でつつむ…と気が遠くなりそうな工程です…
初心者は型抜き済を使おう
布を揃えるのも大変だし、細かな作業だし、押し絵はやめておこうかな〜
という人!安心してください。もっと簡単な工程でできる、型抜き済のキットがあります。さまざまなデザインのキットには、4つの特徴があります。
・使用する布などセットになっているので材料をそろえる手間が不要
・各パーツの型紙にはウレタンが組み込まれているので綿をカットする必要がない
・生地に直接貼り付ける付属シールで布がカットしやすく、くるみやすい
骨が折れそうな作業の型抜きパーツつくりの手間が省けます。ちなみに、型抜きパーツは手で簡単に外せます。
必要な材料
必要な材料は、キットのなかにそろえてありますが、道具で用意するものは、
・小さく穴を開ける目打ち(千枚通し)
・ボンド
・つまようじ(ボンドを少量のせる)
・手拭き(汚れた手を拭く)
になります。ハサミは細かいところもカットしやすいクラフトはさみがおすすめです。
押し絵キットの作り方
押し絵キットの作り方は、それぞれのキットの説明書を参考に進めましょう。だいたいが
2 パーツ用(細かい絵柄)シールをはがし、布に貼る
3 布をそれぞれカット
4 型紙(メインの絵柄)をボンドで布にあて、大きめにカット
5 のりしろにボンドをつけて、型紙をくるむ
6 各パーツを貼り合わせて完成!
こんな感じになります。また、制作イメージは動画も参考にしましょう♪
生地の配分や細かいパーツを一つ一つ作る手間がなくなって楽だね
最初はどんな布(和紙)や材料を使えばいいか迷うから参考になるね
それでも細かいパーツをくるむのは結構難しいからハサミの使い方に注意しないとね
ボンドの使う量や布のくるみかたは場数踏まないと上手になれないよね。やっぱり経験が大事!
まとめ【意外と簡単に挑戦しやすい押し絵】
いかがでしたでしょうか。作品によりますが、基本的に針と糸を使用しないので安心していろんなデザインの押し絵を楽しめます。製作に慣れたら、好きなモチーフでオリジナルの作品にも挑戦してみたいですね。
ほっこり落ち着く、そんな魅力もまた押し絵です。押し絵は場所を選ばず気軽に飾れて、ちょっとしたプレゼントとしても最適です。縁起の良いモチーフを選ぶのも楽しみのひとつではないでしょうか。
ゆめ画材では押し絵のキットの他にもはぎれちりめんや色紙も用意しているので、ぜひのぞいてみてくださいね♪