天然石でつくる勾玉(まがたま)は古代の首飾りのイメージが強いですね。ナチュラルで自然な輝きの美しさは、ペンダントなどアクセサリーにもぴったりです。
勾玉づくりは初心者でも手軽に挑戦することができます。古代の暮らしを学びながら、アクセサリー作り体験をお子さんと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。そこで、筆者が体験ワークショップに参加したときの様子や作り方、材料などご紹介したいと思います!
勾玉の歴史は?
勾玉の歴史を振り返ると、古くは縄文時代からの装具品として用いられてきました。装飾品であり、豪族の権力を示す象徴でもある勾玉は、魔除けや幸運をもたらすお守りやファッションの一部になります。
おたまじゃくしのような形の勾玉は翡翠(ひすい)や瑪瑙(めのう)など、さまざまな石材で作られます。
勾玉と一口に言っても時代や場所によってデザインやルーツは異なりますので、定義ははっきりしているものではありません。
初心者が手作りするなら蝋石(ろうせき)という柔らかく加工しやすい石がおすすめです。蝋石は実はベビーパウダーの原料で、人体や環境にやさしいものです。小さなお子さんも安心して扱える素材です。
蝋石は粉状になると柔らかいパウダーになり肌につくとスベスベになるよね
石はなめらかな質感だけど、衝撃で割れやすい繊細さもあるから落とさないように丁寧に扱おう
コンクリートで線を引いたり絵を書いたり、チョーク代わりにもなるよね
濡れてもすぐには消えにくいから仕事や工事現場などでも実用的よ
勾玉作りの材料
それでは勾玉作りに必要な材料をみていきましょう。主に必要なものは、
です。また、他にあると便利なものとして、
こちらになります。石を削っていくと粉がどんどん増え、手が真っ白になりまわりも汚れやすいので、後片付けが便利だといいですね。
それぞれ材料を用意するのは大変なので、セットを用意すると便利でです。
こちらは穴あき済の勾玉にサンドペーパー、ひも、専用のフェルトなど必要なアイテムがセットになっています。
勾玉作りを体験しよう!
勾玉づくり体験は、観光地や古墳跡、地域の歴史に関わる博物館や資料館で体験できますし、ワークショップとしても人気です。材料費は数百円と比較的安価なので、手軽に始められやすいですよ。
それでは、勾玉作りに挑戦です。今回はワークショップに参加しました。参加したのは新日本造形主催の美術教材フェアです。
材料を用意してもらえるので、手ぶらで初心者も楽しめます。専任スタッフ指導のもと制作できるから安心です。小学生低学年くらいのお子さんから参加も大丈夫で、制作時間の目安は1時間くらいです。
1 使う石を選ぶ
蝋石は天然の石なので模様や色が微妙に異なります。どれにするか原石を選ぶことからスタート。
使用するサンドペーパーは3種類です。左から荒目、中目、耐水ペーパー。各種用意されているので使い方の説明を受けました。
2 荒目で削り出す
最初は荒めのサンドペーパーで大まかな形を削り出します。削る前にどんなデザインにしたいか、あらかじめイメージするといいですね。
削り出すと、みるみる粉が出てきました。思ったより石は柔らかいので力を入れなくても削りやすいです。
くぼみのところはサンドペーパーを巻いて磨くといいよ、とスタッフがアドバイスしてくれました。どんどん角が取れて丸みを帯びてきました。
3 中目&耐水ペーパー
ある程度形が定まり、もう削るのが大丈夫そうになったら中目のサンドペーパーで表面をなめらかにします。次に耐水ペーパーを水につけながら磨いていくとだんだんツルツルになります。
とにかく夢中で楽しくて写真を撮るのを忘れるほどでした。一心不乱に削りながらだんだんと理想のかたちが見えてくるのは嬉しいですね。手が粉で真っ白になりましたがべビーパウダーのようにサラサラとしてい手に優しく、拭きとりやすくて不快感はありません。
水分を拭き、最後にフェルトで全体を磨きます。石の塊で見たときとは違った中の模様があらわれ、光沢が出て生まれ変わったようです。
4 ひもを通して完成!
好きな色の紐を通して完成です。その場ですぐに首につけられますよ。一生懸命作った勾玉は心がこもり特別感があります。
染める場合は好きな色のまが玉用染料に10〜20秒浸せば完成です。手につくと落ちにくいので注意を。
動画でも作り方をチェックできますよ!
【まとめ】自分だけの勾玉を作ろう
サンドペーパーを使いながら、削って磨く工程は想像以上に楽しいので、面白い経験になりますよ。磨きをかけながら、自分の願いや想いを込めた作品は世界に一つだけのもの。石のパワーに向き合いながら、自由な発想で体験してみてはいかがでしょうか。