クサカベの工場見学に引き続き、絵の具作り体験のレポートになります。日頃使っている絵の具がどのように作られているかみなさんイメージできますか?
工場でまとめて作られていますが、手作業で作ることもできるんですよ。クサカベの工場見学では、専門スタッフ指導のもと、実際に絵の具を作ることができます。
それではさっそく体験レポートをお伝えしたいと思います。
まずは絵の具の種類と色を決める
絵の具作りは油絵の具と水彩絵の具、好きな方を選べます。こちらは申し込みの際に希望を伝えました。当日好きなカラーの顔料を購入します。
当日絵の具のメニュー表をいただいたのですが、20種類以上から選べました。※顔料によって、お値段が異なります。
特別な「裏メニュー」なるものもあり、ラピスラズリやブルーレーキなど、絵の具マニアもうずくような珍しい顔料にも挑戦できます。迷ったものの、好きなカラーのコバルトブルーをセレクト。
説明を受ける
最初に絵の具作りのデモンストレーションを受けました。絵の具の顔料は化学物質ですので資格(毒物劇物取扱責任者)を持った人しか取り扱えません。
また、絵の具の毒性についてもお話しを伺いました。
クサカベの全種類の絵具において、LD50の値からして、有害性がある物質ではありません。絵具は有害性の低い物質で、体内に吸収されないため、と考えられます。誤飲などは注意ですが作業が終わったら手の汚れを洗い流す、といった程度で充分です。
絵の具作りスタート
顔料の粉が飛び散って汚れないように、エプロンを装着してはじめます。
顔料を混ぜていく
粉末顔料とノリの役割になる「アラビアガム」という透明の樹脂を加えて混ぜていきます。油絵の具のノリの場合は油になります。
粉とノリ(メディウム)の量のバランスがいまいち分かりません。混ぜるポイントとして、パレットナイフの腹で、面を伸ばすようにすると混ざりやすいとのことで、慣れない手つきで馴染ませていきます。
練り棒でゴリゴリ
トロリと滑らかに落ちる柔らかさになったので、次は透明のガラスの練り棒で約15回位、ゴリゴリと潰してよりなめらかにしていきます。
この作業は絵の具を三等分して、できた絵の具はパレットの隅に移動させながら分けて作業しました。
結構力がいる作業でした。顔料によって粒の大きさ、特徴は異なるので感触の違いはありそうです。
粒状から瑞々しい絵の具となり息が吹き込んだようで、その色に癒されました。
油絵の具に挑戦する人や、自分と違う顔料のカラーを扱う人も多く、隣の席の方と会話をしつつ進めるのも楽しかったです。
チューブに詰めてお尻を閉じる
絵の具のダマがなくなり、とろみの感じはOKかスタッフの人に確認をもらったら、お尻の空いたチューブに絵の具を詰めます。が、手作業なのではみ出たりとスムーズにはいきません。チューブに入りきらなかった分も持ち持ち帰れます。
うまくチューブに入ったら、お尻部分を専用の機械に挟んで三つ折りでしっかり閉じます。
完成!
手書きラベルを貼り、完成です。「コバルトブルー」そのまんまの絵の具の名前ですが、世界に一つだけ、自分だけの絵の具が出来上がりました。
終わったらお片づけ
綺麗な状態でお借りした道具がかなり汚れてしまったので、しっかり洗って元のようにお返しします。
絵の具メーカーでは一般家庭と違い、洗浄時に顔料で汚れた水が大量に発生します。そのため汚水用の蛇口と、手を洗うなどそこまで汚水にならない一般用の蛇口と2種類あり、それぞれ別のタンクに流れます。と、片付けの際に説明を受けました。
【まとめ】マイ絵の具作りは貴重な思い出
スタッフの方のデモンストレーションでは、虫から取れる顔料や2つの異なる化学物質を混ぜて出来上がる顔料(どちらもキレイ)など、実験形式で貴重な話が聞けたのもよかったです。
絵の具作り体験を通して、混ぜ具合や濃度で出来上がりが全然異なってくることに気づきました。見本のように完璧に出来上がるのは難しいですね。
何気なく使っている絵の具の知識を深めながら、新たな発見を楽しむイベントに参加してみてはいかがですか?