最近はお寺参拝や御朱印集めに続いて、写経への関心も高まっています。お寺によって開催されている写経体験もご存知の方は多いのではないでしょうか。信仰に関係なく誰でも手軽に始められる写経は、集中力が高まり気分転換になることから忙しい私たちに癒しを与えてくれます。
そんな写経の基本的な知識や初心者に便利な道具についてご紹介したいと思います。ぜひ自宅でもはじめてみて下さいね。
写経はどんなことをする?
写経は文字通り仏教のお経を一文字づつ丁寧に書き写していくことです。発祥は、中国で印刷技術がない時代にお経を書き写したのがはじまりといわれています。仏教の修行や供養のためだけでなく、最近は心と向き合う趣味や習慣としてはじめる人も増えています。
写経の4つのメリット
修行と聞くと何やら苦しいもの、大変なことをわざわざするの?というイメージですが写経には4つのメリットがあります。
字が上手くなる
写経は見本を見ながら何度も繰り返し文字を書く作業ですので、自然と字が上達できます。文字のクセを正し、バランスの良い字の書き方が身につくかもしれません。
字に自信ができると、年賀状や手紙を書くことがより楽しくなりそうですね。
誰でも挑戦できる
字に自信がないから、信仰心がないからと遠慮されがちですが、写経は誰でもできます。習字とは違い上手な字にこだわる必要はないですし、自分を見つめるものなので、信仰心とも関係ないです。
また、年齢に関係なく自宅でもできるので、筆と紙さえあれば手軽にはじめられます。
集中力がアップ
馴染みがあまりない難しい漢字を正確に、かつキレイに書こうとすると相当な集中力が必要になります。気持ちを落ちつかせ、指先から姿勢、全身を意識しますので脳が活性化されます。多大な集中力を使うので、ときには眠くなることも…それも癒し効果なのかもしれませんね。
集中力が高まれば勉強や仕事に役立ちますし効率化を図れます。
ストレス解消・気分転換に
スマホで好きな動画を見たりゲームをするのもまた楽しいですが、筆と紙というアナログのスタイルで写経を一心に行い、悩みや雑念を自分の力で消すことはストレス解消にもなります。余計な情報が入らないので頭の整理ができますし、心が落ち着きます。時には情報から離れてひたすらアウトプットすることもリラックス効果がありますよ。
写経を上手にするコツ
初心者はお寺でまず写経体験してみるのも作法が身につきやすいかもしれません。
筆者は京都のお寺で参加したことがありますが、住職さんの説法を聞いて、一緒に般若心境を唱和したのち写経をしました。そのときの姿勢や雰囲気が身体で覚えています。日本庭園に囲まれたお寺の静かな雰囲気で、経典を実際に体感した後は写経のスタイルが身につきやすいです。
自宅でできるから手軽だけど、お寺で行うとさらに緊張感が高まるね
お寺できちんと正座をして、不要なものがないあるべきスタイルで呼吸を整えながらの写経体感は貴重だね
はじめて参加したときは、まわりの雰囲気に圧倒されたしとても疲れて緊張したよ
最初はなめらかにできないかもしれないね。慣れるとまた違ってくるはず
書いた写経はどうすれば?
書き終わった写経は、気持ちが込められた大切な作品です。上手くできれば、額に入れて飾ることもできるのです。写経用紙を納める方法として、写経奉納を受け付けているお寺に納められますが、納経料としてお金がかかります。
ほかに年初めに行われるお焚き上げ(どんど焼き)や自分で処理(燃えるゴミ)をする、という方法もあります。自宅で処理の際はしめ飾りを処分するように、塩と一緒に清めると丁寧です。
どんど焼きなら神社でも行われているから参加しやすいね
料金は有料・無料とそれぞれ違うので事前に調べてね
写経に必要な道具
写経は高額な道具を揃えなくてもOKです。試しにやってみようという気持ちが大事なのです。そこで、初心者から本格的に頑張りたい人向けにおすすめのアイテムをご紹介します。
なぞり書きから始められるセット
あかしやの写経セットはお手本を敷いてなぞり書きもできる写経用紙が入っています。毛筆と写経用紙、お手本のほかに写経のてびきも入っているので初心者も安心してはじめられます。なぞり書きは文字の大きさや形の目安が分かりやすく、模写で繰り返し練習が行いやすいので最初のステップアップとして最適です。
超シンプルなお手軽セット
手軽に始めてみたい、グループなどの集団イベントでワイワイ使いたい人は初級用のシンプルなセットがおすすめです。こちらも筆ぺん・なぞり書き用紙入りのお試し用サイズです。
写経の用紙のみ
筆は持っているので写経用の用紙だけ欲しい人に。とりあえず自宅の筆ペンでサクッと書けちゃいます。
本格的に写経したい人は
墨でしっかり写経したい本格派には墨運堂の三体般若心経セットがあります。セットには楷書、行書、草書の三体の手本(半紙)、罫入半紙、液体墨、筆、陶硯、テキストが含まれています。
【まとめ】下手上手より一字一仏、心を込めるのが大切
少し慣れたら上質な筆ペンを使用するなど、お気に入りアイテムも取り入れたいですね。写経用紙に薄くお経が印刷されているものがあると、なぞり書きに慣れやすくなります。そして次は横にお手本を置いて写経するなど、段階へ進みましょう。慣れないうちはリズムがつかみにくいかもしれませんが、心を静かに落ち着けた時の充実感を味わってみて下さいね。