選び方 のブログでコピックの特徴や基本を身につけたところで今度は表現の仕方を見ていきたいと思います。
コピックをどう活用すれば効果的な彩色やグラデーション表現できるのか、初心者の方でも挑戦しやすいやり方をご紹介したいと思います。それでは、おすすめの道具や塗り方のコツを見ていきましょう!
混色・グラデーションカラーの選び方
コピックでグラデーションを描くには、大きく2つの方法があります
②色系統と明度を揃えて、色を変化させる方法
こちらです。同系色を揃えて別のトーンを組み合わせる方法と、違う色で同じトーンを合わせる方法です。そうすることで色同士が馴染みやすく、混ざったとしても失敗しにくいです。選び方のおさらいになりますが、詳しく見ていきましょう。
選び方の目安
ペン先の色番号を見ながら合わせる色を選べます。色番号の見方の基本はこちらです。
まずおさらいすると「色記号」と「色系統」「明度」の表示は固定してこちらになります
色記号と色系統を揃える
①の方法なら赤枠のような同じ色記号の列を参照しましょう。たとえばBV→青紫系統(Blue Violet)の色記号なら色系統BV0000〜BV08まで組みわせる方法です。薄い青→濃い青のように明度が変わるだけなので、色相でケンカすることはありません。
色系統と明度を揃える
②の方法なら赤枠のように、別の色記号でも同じ色系統明度を参照にしましょう(数字が同じ)。たとえば色系統が0、次の数字も0で同じならピンク系や青系の別の色記号でも綺麗な混色になり馴染みやすいです。
応用すれば異なる色同士でも中間色をうまく組み合わせることによって美しいグラデーションができます。ポイントとしては
・色は様々で統一感のある色を集めたい→色系統の同じ/近い色を探す
・明るさを統一したい→明度の同じ/近い色を探す
このように、色系統・明度はぴったり同じでなくても構いませんが、できるだけ近い色を合わせるのがコツです。重ね塗りの仕方によっても色の雰囲気が変わりますよ
線画は何で描けばいい?
コピックは溶剤にアルコールを使った油性のマーカーです。つまり、油性ペンで線画を描いた上に塗ると、線がにじみます。耐アルコール性のペン以外だと同じようににじむため、「耐アルコール性の顔料インク」のペンを選びましょう。
※インクの色や紙の種類によって、また線画が乾いていなかったなどの条件によっても、にじむことがあります。本番前に必ずテストしてください。
コピック専用のドローイングペンであるコピックマルチライナーがおすすめです。太さや色数も豊富です。
塗り方は?
決まった塗り方はありません。ムラができにくい塗り方やグラデーション塗りのコツはあるのでご紹介したいと思います。基本の方法は2点です
②乾いてから次の色を塗る→境目がはっきり
このように乾く前と後では境目の印象が違うので、作風が決まったら意図的に塗り方を統一したいところです。
ムラができにくい塗り方
コピックは溶剤にアルコールを使っており、速乾です。また透明度が高く鮮やかに発色し、重ね塗りをすることで濃淡を表現できます。
半面、特に大きな面を塗っていると、塗った端から乾いてしまい、ムラができやすい特徴もあります。
色ムラはイラストの味にもなりますが、できる限りムラが少なく平滑に塗りたい方は、下記に注意してみてください。
・一定の速さでペンを動かす(インクが均等に紙に染み込むように)
・小さな円を描くように少しずつ塗り進める(大きく動かすと、一定の速さが保ちにくい)
このように「インクを均等に紙に染み込ませる」をイメージするといいと思います。小さな円を描くように塗ると、いかにもペンで塗った跡は残りにくいです。
塗る範囲が狭い方がムラになりにくいね
初心者は塗る範囲を狭く分割してみるとキレイに仕上がりやすいね
グラデーションの塗り方
コピックどうしは乾かない内なら、紙の上で混色ができるため、濃い色→薄い色でも、薄い色→濃い色でも、グラデーションを作る事が可能です。
試してみて、自分のやりやすい方法を見つけたり、イラストによって使い分けてもOKですよ。
コピックは乾きやすく染み込みやすいからゆっくり塗ると色の境目がうまくグラデーションにならないね…
ムラになりにくい方法で一気に塗ることが基本だね
色合わせはあらかじめ試して色合いをイメージしておくといいね
重ね塗り・グラデーションの方法
紙は何を使えばいい?
紙はインクのにじみ方やグラデーションのつくりやすさ、発色などに影響するので、基本は好みで決めるのがいいでしょう。
多色を使うことが多い場合や、何度もペン先でなぞる可能性が高いなら強度が強い紙が向いていそうです。
ベーシックにおすすめなのはケント紙
ケント紙は他の画材と併用するのに向いています。マルマンのスケッチブックが安価のため、練習におすすめですよ。
※色鉛筆や水彩絵具、パステルと併用する人もいます
分厚い紙(画用紙など)はその分インクを吸う傾向があるよ
薄い紙だと裏抜けで机などを汚すこともあるので注意しよう
コピック専用用紙も
グラデーション・混色がしやすく、ペン画にも向いているコピック専用紙もありますよ。
それぞれ特徴も異なりますので、おすすめをご紹介します。
コピック ペーパーセレクション 特選上質紙
コピック ペーパーセレクション 特選上質紙は「特選上質紙」を使用のおちついた色合いの紙。平滑度も高く、マルチライナーなどを使用したペン画にも◎。発色はやや控えめですが、インクがにじみにくく初心者にもおすすめ。
コピック ペーパーセレクション PM ペーパー
コピック ペーパーセレクション PM ペーパーは薄く裏抜けしにくい紙。発色が良く色鉛筆との併用にも◎。
細かなざらつきがあり、パステルや色鉛筆の粉が定着しやすいため、イラストの着彩にも人気です。
コピック ペーパーセレクション カスタムペーパー
コピック ペーパーセレクション カスタムペーパーは特選上質紙よりも白味の強いツルツルした紙。発色が良く、マルチライナーなどペンの滑りもよいためイラスト作画にも◎。
コピック ペーパーセレクション 画学紙
コピック ペーパーセレクション 画学紙は表面に少しざらつきがある厚手の画用紙のような質感。インクがにじみやすく、グラデーションが作れますのでぼかしの表現に向いています。
コピックペーパーセレクション 画箋紙
コピック ペーパーセレクション 画箋紙は和紙のような質感で水墨画や水彩画のような表現ができる高品質の和紙。にじみやかすれが美しく表現できます。
※同じシリーズで色紙やスケッチブックも展開しています。
エコで経済的なコピック
コピック本体は不燃ごみで捨てられますが、まず大前提として、
・ペン先が破損しても交換できる
こちらが大きな特徴です。1本300〜550円(2023年12月現在)と、マーカーにしては高い…と思われるかもしれませんが、繰り返し使えてエコで経済的なマーカーです。詳しく見ていきましょう。
インクの補充
専用の補充インクが売っています。インクの残量やスケッチ、チャオなどのコピックの種類にもよりますが、3〜9回ほど使用できます。
コピックワイドなどの大容量のペンの場合は、使える回数が少なくなります。逆にチャオのように細いペンは回数が増えますよ。
ペン先の交換
コピックチャオ、スケッチ、クラシックのそれぞれに対応した交換用ニブが販売されています。
汚れが気になったり、摩耗して書き味が変わってしまった場合は交換をおすすめ。
濃い色の上に薄い色を塗ると、薄い色の方のペン先に濃い色が移ることがあるんだけどどうすればいい?
そんなときは要らない紙などに何度も書くことできれいになるよ
【まとめ】コピックは奥が深い
いかがでしたでしょうか。種類の多いコピックを効果的に表現するためには、基本的な使い方と自分に適した表現をおさえるといいですね。ぴったりのアイテムを選んで、表現の幅を広げてみましょう。