日本画に欠かせない顔彩といえば画材メーカーの「吉祥」が有名です。
顔彩は、日本の伝統的な色彩に加えて、蛍光色やパールなどカラーが豊富です。表現の幅が広く、作品に鮮明な輝きを取り入れながらポップでモダンな表現が実現できます。透明水彩絵具のように水で溶かし手軽に使えることから人気が高まっています。
今回はそんな顔彩の魅力や基本的な使い方をみていきたいと思います。
筆1本あればはじめられる
顔彩は筆1本と水、紙さえあれば、日本画を描くことができます。水を含ませた筆で、表面をなでるだけで筆に絵具が含まれます。もちろん混色や重ね塗りも可能です。
また、鉄鉢と呼ばれる大容量タイプの顔料もあります。丸い陶器のお皿に入っているので安定感があり、余裕で筆を動かせるので絵具が溶きやすいです。
筆の選び方
筆はイタチやコリンスキー、ナイロンなど毛の種類もさまざまで、極細から太めまでサイズも幅広いです。まずは面相筆と呼ばれる細い穂先の筆(小または中サイズ)を用意すると便利です。筆によって描き味も変わってきますので描きたい絵や用途に合わせて選びましょう。
紙の選び方
紙は日本画専用の和紙で描きましょう。和紙は温かみのある質感や美しい見た目だけでなく、繊維が長いため耐久性と柔軟性に優れています。そのため、絵具をしっかり定着させ、色あせずに綺麗に残す役割があります。和紙はさまざまな種類があるので作品や用途に合わせて選びましょう。
ちなみに、絵手紙として描きたい和紙は、にじみにくい画仙紙が手軽でおすすめです。
鮮やかで豊富なカラーラインナップ
100色もの種類が揃う顔料は水干絵具にも使用している高品質な顔料です。美しい色彩に丈夫な質感、耐光性が特徴で、作品に輝きを与えながら仕上がりの美しさを保ちます。
従来の深みのある日本画の色彩に加えて、鮮やかな色彩にも注目です。
パールカラー
パールカラーは、パール顔料に色材をブレンドした顔彩です。キラキラと輝く鉱物が作品にいっそう魅力を与えます。淡く透明感のあるカラーは下塗りや俳画、ハガキなどの挿絵、写生など、さまざまな用途で活躍できそうです。
ルミアクセントカラー(蛍光カラー)
ルミアクセントカラーは蛍光顔料をベースとした新しい顔彩です。蛍光色独特の鮮やかさが特徴で、アクセントとして作品に輝きを与えます。ピンク、イエロー、オレンジをはじめビビットな6色が揃います。カラーはセットから単色もあるので好みでチョイスができますよ。
塗り絵から始める日本画の描き方
下絵が完成して、顔料を綺麗に重ねていくにはいくつかポイントがあります。
顔彩に慣れるにはまずは塗り絵からスタートして色使いや表現のコツをつかむのがおすすめです。
「吉祥」のHPから塗り絵用の下絵がダウンロードできますよ。それでは、こちらの朝顔を描いていきます。
1 花を塗る【紅梅+赤紫】
最初は水を多めに、薄いところから濃いところへ塗っていきます。同じ色でも濃淡をつけると奥行きがでます。筆の先に絵具をとり、少し筆を寝かせ気味に使うと濃淡がつけやすいです。
水を塗って紙を湿らせ、ぼかしながら色を塗る方法もあるよ
2 葉を塗る【若葉+黄草+鶯茶緑】
三色を混ぜながら塗ります。全体に薄く塗った後にぼかしながら重ね付けしたり、筆に2〜3色をにじませて描くと鮮やかに表現できますよ。
3 葉の葉脈を描く【青金】
線をなぞっていきます。青みがかかった金色の縁取りで輝きが加わり、重厚感のある雰囲気になりました。
4 朝顔の完成
完成です!白い紙が鮮やかな色を引き立ててくれます。グラデーションやぼかし表現がしやすく、ポイントカラーの青金色で全体が引き締まり、立体感のある雰囲気に。
顔彩の使い方は動画でもチェックできますよ↓
まとめ
いかがでしたでしょうか。奥深い顔料の色彩を楽しみながら、手軽に楽しんでみてください。
1本の筆から作る、さまざまなテクニックに挑戦しながら、繊細な顔彩から生まれるいろんな表情を見つけてみましょう。