みなさん、こんにちは!
いつもゆめ画材のブログへお越しいただきありがとうございます。
今日はマンガ制作の用語集 「作業、工程編」をお送りします。
マンガ用語 作業、工程編
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アシスタント
漫画作家の原稿制作作業を補助するお仕事です。作業の現場によって仕事の内容は多岐にわたります。原稿制作の補助では作家の作風に沿って指定された作業を行っていきます。背景や小物の作画、消しゴムかけやベタ塗り、ホワイト入れ、トーン貼りなどを行います。漫画家を目指しながら修行をする作家の卵も多くいます。
アタリ
マンガやイラストを描く際の大まかな下書きです。多くの場合はキャラクターのポーズや位置のバランスをとるために描くもので、細かく書き込む下書きとは区別します。アタリで描いた線をアタリ線と呼びます。消えやすい鉛筆を用いたり、印刷にうつらない水色の色鉛筆などが使われます。
アタリ線を描くときはなるべく筆圧を弱めにすると良いでしょう。
圧着
原稿に貼ったトーン(スクリーントーン)ははがれやすいため、当て紙をしてその上から圧をかけてこすることではがれにくくなり定着力が上がります。こするときはトーンヘラが便利です。
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消しゴムかけ
原稿の下書きにペン入れをしインクをよく乾かしたら、下書きの線を消しゴムできれいに消していきます。また、原稿の完成前にも再度消し残しなどがないかを確認して消しゴムをかけます。
原稿作業
下描き→ペン入れ→消しゴムかけ→ベタ塗り、トーン(スクリーントーン)貼りと圧着、トーン削り、ホワイト入れ→最終的な確認。それぞれの工程に楽しさがありたいせつな作業ですが、きれいな原稿を仕上げるために最終的な確認はポイントとなる作業です。
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下描き
ネームで練り上げたものを実際の原稿に下描きします。この後にペン入れを行うので、鉛筆やシャープペン、印刷にうつらない水色の色鉛筆などを使い描画してゆきます。ベタ塗りやトーン(スクリーントーン)を貼る箇所には指定のマークを入れるなどしておきます。
主線
ペン入れをした描画の線のことです。実際の漫画の線として残るのが主線です。作者の個性の色が一番出る部分かもしれません。
設定
キャラクター、世界観、現実の世界には当てはまらないその作品の中だけで現実となっている事柄などが当てはまります。設定がしっかりと組まれているとストーリーを進める時に迷うことを防げます。それは読者の側にも当てはまり、特異な世界を描いたストーリーであってもより説得力を持たせることができるでしょう。
外枠
漫画専用の原稿用紙に引かれた線には3種あります。内側から順に基準枠(基準線)、断ち切り線(仕上がり線)、外枠です。
作画が印刷に反映されるのは断ち切り線までなのですが、外枠は何のためにあるのでしょうか?
断ち切り線の項に書いたように、雑誌やコミックなどによって印刷のサイズが異なることがあります。また断ち切り線まででブツ切れになってしまった線よりも外枠まで描くことで安定した線が表現されます。印刷範囲のギリギリで描画を止めずに外枠まで描くのは奥行きと余裕のある原稿にするための方法のひとつと言えるでしょう。プロの作品を読む際にもそのような視点でページを眺めてみるのも勉強になり楽しいかもしれませんね。
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裁ち(断ち)切り線、仕上がり線
漫画専用の原稿用紙に引かれた枠線のひとつで、内側から二番目にあるのが断ち切り線です。この線に描いた作画までが実際に印刷に反映されますので「仕上がり線」とも呼ばれます。
ただ、雑誌の印刷はずれることもあり、またコミックスなどになった場合には縦横比が変わることがあります。
用語集の「基準枠」の項で基準枠の中に描いたものは印刷で切れてしまうことはないという説明をしたのはそのためです。
トーン削り
髪の毛や細かい小物、背景などの細部にトーン(スクリーントーン)を貼る際には描画線に沿ってカッターで切り抜くのはたいへんです。そのようなときにはあらかじめ描画からはみ出してトーンを切り抜きます。はみ出た部分はカッターを使って軽い力でトーンに印刷されている図柄を削ります。この時はカッターの刃ではなくヘリの部分を使い、トーンを切ってしまわないようにします。
トビラ、扉絵
作品のタイトルを描くページのことです。基本的には原稿の1枚目がそれにあたりますが、ストーリーの導入が先に来ることもあるので必ず1枚目でなくても大丈夫です。投稿の際は条件にある規定枚数にこのトビラ部分の原稿も含まれます。雑誌連載など媒体によってカラーで描かれることもあります。本編と異なりコマ割りなどはないことが多いでしょう。
トレース、トレス
写したい元の絵の上に下の絵が透ける紙をのせてうえから線をなぞっていく技法のことです。うまくなぞれば下にある絵をそのまま写し描くことができます。漫画制作ではトレース台を使用して元の絵の下から光で照らし、上の原稿に透けやすくする道具を使用すると便利です。ネームを原稿に写し取りたい時などにこのようにトレースを行います。
↑なんとトレース台までセットになっておりすぐに漫画制作を始まられるお得なセットです!(残りわずかとなっております。お早めにチェックしてみてくださいね。)
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ネーム
実際に原稿に漫画を描きだす前にストーリーの流れをコマ割りしセリフやキャラクターの動きも含めて構成を組んでおくネーム作業を行うことが多いでしょう。ネームの作業を練っておくほどに原稿作業に入ってからはネームを元に仕上げることができ描画に集中できます。ネームの絵や背景画は原稿の完成形のように描き上げる必要はなくラフなもので大丈夫です。
↑漫画用原稿と同様の枠線が印刷されておりとても便利!
ノンブル
通し番号(ページ番号)のことをノンブルと呼びます。せっかく作成した漫画の作品のページが印刷時にページ順が間違っていた!なんてことがあったらショックですよね。投稿や印刷の際にはノンブルに関する指定や条件をよく確認して原稿上の指定の箇所にノンブルをふりましょう。
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プロット
プロットはストーリーやネームとはどう違うのでしょうか。ストーリーやネームがより細かく実際の作品に反映させる情報を作り上げるのに対し、プロットは作品自体の「構想」であり、まさに作品が生まれる前のタネのようなものかも知れません。また、作品のコンセプトという側面も持っています。
ベタ、ベタ塗り
墨汁やインクで真っ黒に塗りつぶすことをベタ、ベタ塗りと呼びます。印刷されたときにもムラが出ないように塗りつぶし、細かい部分もはみ出さないように塗るとうつくしい仕上がりとなるでしょう。ペン入れをした際に、ベタ塗り指定の箇所に「×」マークを入れておくことがよくあります。そうすることで消しゴムをかけたあともベタの指定箇所が容易にわかります。ベタ塗り後に消しゴムをかけるとベタ塗り箇所がかすれることがあるので、ペン入れ→消しゴムかけ→ベタ塗りといった順番がおすすめです。
↑美しい漆黒の艶ナシ漫画用インク。耐水性、耐アルコール性です。
ペン入れ
下描きの上から付けペンなどを使用して主線(※主線の項を参照)を描きます。
漫画のペン入れに人気のあるペン先各種、専用ペン軸、インク、原稿用紙までセットになったうれしいセットです!
ホワイト、ホワイトを入れる
基本的にモノクロで表現される漫画の原稿では、黒色インクだけではなくホワイトのインクも使用し光やツヤ、効果を描き入れることがあります。ホワイトの作業には専用のホワイトインク以外にも修正液やペンなどホワイトを入れたい箇所によってツールも選ばれています。また、ペン入れではみ出してしまった部分や失敗してしまった線、汚れてしまった箇所の修正にも使用します。
↑外観もかわいいアイシーのマンガ用ホワイトインクです。
まとめ
いかがでしたか。今回ご紹介した用語集はマンガ制作の基本の一部であり、作家によってさまざま作業工程が存在すると思います。
ものづくりの過程では工夫をしながら自分に合った方法を探ることも楽しみの一つですね。
また、ご質問等がありましたらゆめ画材のTwitterなどへお気軽にメッセージをいただけましたらキャンバスくんも喜びます。
待ってまーす!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
また次回のブログでお会いしましょう。