アクリル画のメディウムの種類はさまざまですが、今回はホルベインに注目してみました。
アクリリック カラーのためにつくられたメディウムは、無限に広がるアート表現をサポートしてくれます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。まずはQ&A形式で用途にあわせて詳しくみていきましょう。
下地の調整をしたい
A:サイズは微粒子(S)と標準(M)、粗粒子(L)、さらに粗い極粗粒子(LL)に分かれるよ
ジェッソには、地肌の質感や描く素材に応じて4つのタイプに分かれます。
ジェッソS(微粒子タイプ)
ジェッソS(微粒子タイプ)は4タイプの中で一番細かい地肌ができます。6ミクロンの細かい粒子がつくる平滑面は細かい線の表現、陶器やガラスの画肌にぴったりです。
ジェッソM (標準粒子タイプ)
ジェッソM (標準粒子タイプ)はアクリリックカラーをしっかりと受け止める強い地肌をつくります。紙や布以外にも板、石、粘土などの立体的なさまざまな素材の下地づくりに効果を発揮します。
ジェッソL (粗粒子タイプ)
ジェッソL (粗粒子タイプ)は40ミクロンのざらざらとした粒子がつくりだす画面は、半透明の白色で粒子の細かい質感です。日本画の天然岩絵具「方解末(ほうかいまつ)」を混ぜた画面に似ています。日本画のような味のある独特な表現に。
ジェッソLL(極粗粒子タイプ)
ジェッソLL(極粗粒子タイプ)は一番荒い地肌のタイプです。200ミクロンの大粒子で大胆かつダイナミックな立体印象に。天然の砂の感覚です。砂目の下地は、とくに彫刻や工芸などに効果を発揮します。
色のついた下地をつくりたい
Q:色のある下地にしたいけどカラージェッソはどんな色が選べる?
A:カラージェッソは22種類のカラーから選べるよ
カラージェッソはジェッソMの画肌になる、色のあるジェッソです。彩度が高く濃い色の有色下地ができます。
変色や色あせの少ないカラーばかりなので、マット感があるアクリル絵具としても使用できますよ。壁面の制作などにもOK。
全22色のカラーがありますので下地の色にあわせて選べます。
※色は実際の色とは異なって見える場合があります。
黒色の下地にしたいときは「ブラック・ジェッソ」が美しい質感になるよ
画面を盛り上げたい(モデリングペースト)
Q:モデリングペーストにはそれぞれどんな風合いの違いがあるの?
A:モデリングペーストは6種類以上もあって、重厚感のある滑らかな仕上がりから、砂利のような感触までさまざまあるのよ
盛り上げ役になるモデリングペーストにはそれぞれ異なる材料が使用されているので、使い心地がまったく異なります。
モデリングペースト
平滑で重量感のある盛り上げになる灰白色の盛り上げ材です。カラーを塗ると美しい発色に、混ぜると深みのある色の盛り上がりに。ナイフや彫刻刀で削ると大理石のような面にもなりますよ。
モデリングペースト ハイソリッド
白色の高密度盛り上げ材です。シャープでエッジのある盛り上げになり、乾燥が早いです。カラーを混ぜると明るい色になり、凹面に塗っても吸い込まれないため、粘着や吸着力を生かしたコラージュ作品にもOK。
モデリングペースト ライト
白色の軽量な盛り上げ材です。盛り上げの大きい作品に適した軽いペースト。セラミックパウダーを多く含んでいるので、絵の表面に薄く塗って画肌づくりにも使えます。
モデリングペースト パミス
灰色の砂目盛り上げ材です。粗い砂目でコンクリート色の画肌をつくります。上に塗ったアクリリックカラーの色を重厚にし、混ぜると個性的な色を生み出します。そのまま一色としても使えます。
モデリングペーストはほかにも種類があります。
モデリング ペースト コースパミス(灰色・粗粒子砂目盛り上げ材)
「パミス」よりも粒子の粗いタイプ。粗い砂地のような風合いで、軽量。乾燥後はナイフ等で削れます。
モデリング ペースト エキストラ コースパミス(灰色・極粒子砂目盛り上げ材)
「コースパミス」よりもさらに粒子の粗いタイプ。砂利のような風合いで、軽量。乾燥後はナイフ等で削れます。
モデリングペーストの使用感については、ホルベインの公式動画を見ると分かりやすいです。ペーストの風合いは見比べてみると全然違いますね。
ホルベインのメディウム情報はさらに続きます。後編では下地処理や仕上げ用のメディウムなどを紹介していきます。