はじめに
いつもゆめ画材のブログをご覧くださりありがとうございます。
今回は、長い歴史と伝統を持ちながら現代でも新たなアプローチで進化をつづける「水墨画」についてお送りします。
昨今書籍や映画のテーマとしても注目を集め、これまでは特に水墨画について触れる機会がなかったという一般の方々の中にも「水墨画をはじめてみたい!」「水墨画について知りたい」という水墨画ファンの方が続々と増えはじめ、密かな盛り上がりと浸透をみせています。
今回の記事ではこれからますます注目の水墨画の世界について、この記事をお読みいただいているみなさまが「いますぐに描ける」ことを目指してまとめました。
みなさまの新しい挑戦のきっかけとなりましたら幸いです。
水墨画の道具
さぁいよいよ水墨画の世界の入り口まで来ました。
実際にはじめるにはどんな道具が必要なのでしょうか。
「水墨画をはじめたいけどいきなりいろいろな道具を揃えるのはたいへんそうで敷居が高いかなぁ~」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。
書道の道具をお持ちの方は代用して始めることもできます。
書道の道具がない方もまずは以下の4点からはじめることができます。
- 墨や墨汁
- 硯(すずり)
- 筆:書道用の筆などでもOKです。
- 紙:水墨画の特徴であるにじみの表現を出すため、墨を吸い込みやすい紙が適しています。
ONE POINT☆ ~水墨画には欠かせない“墨”について~
固形の墨には「松煙墨(しょうえんぼく)」と「油煙墨(ゆえんぼく)」の二種類があります。
松煙墨は松の煤でつくられた墨で、青みのある黒色なのが特徴です。青墨(せいぼく)とも呼ばれ静かな雰囲気や清らかさを表現することができます。
菜種油などの煤を原料にした墨で、茶色がかった温かみのある力強い黒色が特徴です。
この他にも以下のようなものを用意すると更に制作がはかどり便利です。
- 下敷き、フェルトの布など:墨が机や床についてしまうのを防ぐため紙の下に敷きます。
- 墨ふき:筆を整え墨や水分を調節するときに使用します。ティッシュの束でOKです。
- 文鎮、ペーパーウェイトなど:紙がずれないように押さえる重石(おもし)です。
- 絵皿:筆につけた墨の濃淡を調節するのに使います。
- 筆洗(ひつせん)、筆洗い:筆を洗うための器です。
描いてみよう
基本的な道具が準備できたら、いよいよ水墨画を描いてみましょう。
上の絵はゆめ画材のスタッフの作品です。
可愛らしいひな鳥たちのふわふわの羽毛の感触が表現されていますね。思わず触れたくなるような質感と活き活きとした躍動が感じられる構図です。
シンプルな線と墨の濃淡で質感や遠近まで表現することができる水墨画の世界の魅力が溢れています。
ONE POINT☆ ~たった二つの基本技法で一気に雰囲気が上がる~
水墨画に使われる筆運びのことを「運筆(うんぴつ)」と呼びます。
運筆には大きく分けて「直筆(ちょくひつ)」と「側筆(そくひつ)」と呼ばれる二つの基本技法があり、これらを取り入れることでより表現の幅を広げることができます。
モチーフや題材
水墨画のモチーフでは自然の中にある植物や動物、景色などが多く見られますが、現代水墨画の題材は多彩で自由です。
たとえば有機的な建築や乗り物、または人物の肖像画であることもあります。
幻想的な世界観を表現した作品もあります。
はじめは身近なものや好きなものを題材とするか、お手本のようなものを用意して描き始めるのも良いでしょう。自由な発想でモチーフや題材を決めてゆくことができます。
モチーフや題材が思いつかない場合は線や文字などを描き、その形から連想し線や点を付け足すことで偶然性からうまれる作品を描き出すことも水墨画の世界の不思議な魅力のひとつと言えるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は水墨画に興味をもったその時からすぐに始められることをコンセプトにまとめました。
記事内でご紹介しました水墨画セットやすでにお持ちの書道具を使ってご自宅ですぐにでも始めることができる水墨画。
奥深い魅力と世界観を持つ水墨画について今後も記事をアップしてゆきますので楽しみにしていてくださいね♪
ここまでお読みくださりありがとうございます。
また次回のブログでお会いしましょう!