みなさん、こんにちは!
いつもゆめ画材のブログへお越しいただきありがとうございます。
今日は、マンガ制作の初心者さん向けに用語をまとめてみたいと思います。
何かをはじめるとき、用語の意味が分からなくて取っつきにくそうなイメージを抱くということはないでしょうか?
このブログでは一般的なマンガ制作に使用されるツールをご紹介してゆきます。「これって何だろう?」「どう使うの?」と思ったときにこのブログを活用してみてください♪
基本的なツール以外にも様々な道具や工程がありますが、それらをすべて覚える必要はないので安心してくださいね。
<カ行>
かぶらペン
ペン軸に付けて使用する付けペンのペン先の一つ。スプーンのような形をしているので、スプーンペン、たまペン、さじペンと呼ばれることもあります。元々は英字の筆記用に作られたペンで、一定の太さを保った線を描くことができるのが特徴です。Gペンよりもペン先が広がりにくいため安定した線の描写に向いているといえるでしょう。
ケント紙
表面の凹凸が少なく滑らかなのが特徴です。もとは製図用として開発され、いまでは画材として使われる紙の一種です。付けペンを使用する際にペンの先が引っ掛かりにくいこと、また絵の具やインクがにじみにくいしっかりした硬さのあるところが漫画制作に適しています。印刷の際に発色がよく鮮明なのも特徴です。
コピック(アルコールマーカー)
アルコールインクを用いたカラーマーカー。墨汁でペン入れをした描画にも使用できるためマンガの彩色に活用されています。豊富な色数を揃えており、発色が良いのが特徴です。マンガ、イラスト、デザインなど幅広い制作活動に用いられています。インクを自由に混ぜ好みの色を作ったり、ペンの先を選ぶことも可能。アルコールインクが揮発性であることから乾きも早く作業が捗ります。水彩のようなにじみやぼかしの表現もできます。(※「コピック」は株式会社トゥーマーカープロダクツが開発したアルコールマーカーのブランド名です)
コミックペン
ホルベイン社のマクソン コミックペンは3種類あり、その名の通りマンガの制作に便利なアイテムとして作られています。顔料タイプのインクは変色がほとんどなく、乾くと耐水性になります。ペタ塗り用、枠線用、1本で2通りのサイズが両側についた筆タイプのペンがあります。付けペンや面相筆の扱いが難しかったり扱いにくいと感じる時には、このようなペンを使用して制作するとよいでしょう。使用する道具に決まりはないので、手になじむもの、作品の表現を実現するのに向いているものなど、さまざまなものを試してみるのも作品制作の醍醐味といえるでしょう。
<サ行>
さじペン
※かぶらペンを参照。
Gペン
ペン軸に付けて使用する付けペンのペン先の一つ。もとは英字筆記に使われていました。ペン先が軟らかいので、線の太さや強弱の表現に向いています。迫力ある表現ができる為、マンガの中でも特に劇画の描写に多用されました。筆圧の調整を練習すれば、Gペンだけで幅広い表現の線に用いることができるでしょう。
スプーンペン
※かぶらペンを参照。
<タ行>
たまペン
※かぶらペンを参照。
付けペン
ペンの先を差し込んで使用するペン軸にペン先を付けて使用する道具です。漫画では丸ペン、Gペン、さじペンなどの付けペンがペン入れの際に多用されてます。
デザインナイフ
細かい部分の作業に適したカッターです。マンガ制作では主にトーン(スクリーントーン)を描画に沿って切る際に使用します。ペンタイプと通常のカッタータイプがあります。ペーパークラフトやプラモデルなどの模型工作にも用いられます。
”トーンカッター”という名前の製品もあるよ!
トーン、スクリーントーン、コミックパターン
マンガの表現を広げるために用いられる道具で、網点や効果線、グラデーションや模様などが印刷された粘着フィルムです。色の濃淡や影、衣服の模様など様々な表現が可能です。(※スクリーントーンは、レトラセット社が生産、販売しているものの商標です。)
トーンカッター
トーン(スクリーントーン)を描画に合わせて切るために作られたカッターで、基本的にデザインナイフと同等です。通常の文房具のカッターの刃が60°であるのに対し、45°や30°などの角度のバリエーションがあります。柄の部分も細く、ペン状のものもあるので小回りが利き細かい作業に便利です。絵や図柄の大きさにより通常のカッターと併用しても良いでしょう
刃が鋭くて切れ味が良いよ。扱いには気を付けてね。
トーンヘラ、コミックスティック
トーン(スクリーントーン)を貼る作業に使用するヘラ状の道具です。トーンは薄いフィルムに粘着剤がついていますが、弱粘着のためそのまま置いただけでは簡単に剥がれてしまうことがあります。トーンを図柄に沿ってうまく切ることができたら、トーンの上にあて紙を乗せヘラ(スティック)で擦ることで紙面に定着させることができます。
トレーサー、トレース台
LEDなどで発光する透かしのための台。紙を重ねると下の絵や図柄が透けて見えるため、その線をなぞり写すことができる道具です。ネームを紙面に写す際や、撮影した写真画像を透かしながら背景を描くなど、マンガ制作に便利な道具です。台の明るさを調整できるものもあります。A4やA3など作業スペースや使いやすさで大きさを選ぶこともできます。
トレーシングペーパー
複写したいものに重ね、下の図柄をなぞることで複写することができる半透明の透写紙。使い道はいろいろありますが、今回はマンガ制作に特化したものをご紹介します。インクや墨で塗りつぶしたベタ塗りやトーン(スクリーントーン)を貼った上に、モノローグやセリフを入れたい時に、原稿に重ねてその上に文字を書きます。印刷の際に文字を図柄に重ねるための方法です。
<ナ行>
ネームノート
マンガの草稿、コマ割りや下書きなどの「ネーム」を作成するためのノート。通常のノートとの違いはマンガ用の原稿用紙のようにレイアウト線が印刷されていることです。より実際の原稿に近い状態で構成を練ることができるため、作業の効率がアップすること間違いなしですね。
<ハ行>
羽根ぼうき
消しゴムのカスや細かいほこりなどのゴミを払うのに使用します。原稿の上の消しゴムのカスやほこりなどを手で直接払ってしまうと、乾き残しのインクが伸びたり、逆に手についていたインクが写ってしまったり…せっかく貼り付けたトーンが破れてしまうなど、大切な原稿が台無しになってしまう恐れがあります。羽ぼうきは、原稿をきれいに仕上げるために重要な役割を果たしています。
ピンセット
マンガ制作にピンセット?と思われるかもしれませんが、細かい部分にトーンを貼るや、トーンが剝がれてしまった時などにあるのと無いのでは大違いでしょう。
ペン軸
付けペンのペン先を差して使用する軸の部分です。ペン入れは集中力と根気がいる作業なので、手に合うもの、長時間でも使用しやすいものなどを選ぶことがマンガ制作のポイントの一つと言えるでしょう。
ホワイト
ベタ塗りやトーン(スクリーントーン)の上からツヤや光の描写をしたり、不要な線を消したい時などに使用できる白色のインクです。作業の工程で「ホワイトを入れる」と表現されることがあります。
メーカーによりインクの濃度や白さの強弱などがあり表現用途に合わせて選ぶことができます。付けペンに直接つけて使用できるタイプやキャップに筆がついているマニキュアのようなタイプなど様々です。一般的な文具の修正液や白色のジェルボールペンなど、使いやすさや画風により様々な選択肢の中からツールを選ぶことができます。
<マ行>
丸ペン
付けペンのペン先の一つ。ペン先が開きにくいので細い線を描くのに適しています。例えば、細かい髪の毛の描写や全体的に繊細なタッチの絵柄、背景や細かい効果にも使われます。筆圧が高くGペンでは線が太くなりすぎるといった時には丸ペンを試してみるとよいでしょう。
面相筆
日本画用の絵筆で、「面相(めんそう)」の名の通りもとは顔の中の眉毛や鼻など細かい部分を描くのに用いられました。穂先が細く長いのが特徴です。マンガ制作ではベタ塗りの際やホワイトでのツヤ入れ描写、細かい修正などに使用されます。
メンディングシート
トーン(スクリーントーン)が剥がれてしまうのを防ぐため、原稿の上から貼り付けます。印刷には映らないため安心です。原稿全面に貼り付ける場合のシートの他、部分的に使用できるテープタイプがあります。
モデル人形、デッサン人形
マンガやイラスト、デッサンの際に使用できる可動型のモデル人形です。人間と同じ関節部が動かせるので、さまざまなポーズを描く際に便利です。
人間の体を描くには、骨、筋肉、筋、関節の仕組みなどを知る方がより説得力のある描写となり、逆にそれらに矛盾があるとどこかバランスの崩れている印象になってしまいます。ただし、それらの技術を身につけるのは時間も鍛錬も必要になるので、「すぐにマンガを描きたい」と思っている方には不向きですよね。そんな時は、より精巧で多彩な可動域を持ったモデル人形でポーズを活用するのがおすすめです。
いくつも絵を描く内に、モデル人形を見なくても様々な動きを想像して描けるようになるかも!
まとめ
マンガの制作には作業の工程ごとにさまざまなツールを使用することで、原稿の上という限られたフィールド上に限りない創作の世界を広げることが可能になります。
もちろん今回ご紹介したような基本ツールをすべて揃えなくてもマンガを制作することができます。ご自分の作品の世界観を表現するのにどんなツールがあるといいかという視点で道具を選ぶのも楽しそうです。
それではまた次回お会いしましょう!